きへんに夏がつく漢字「榎」の読み方が分からない!
この記事では、きへんに夏がつく漢字「榎」の読み方や意味、
成り立ち、そして榎が使われる言葉や名前について解説します。
会話で「榎」を使うことは少ないかもしれませんが、
名前にも使われる漢字なので、間違えないように一緒に確認しましょう!
木へんに夏「榎」とは、どう読むのでしょうか?
木へんに夏とかいて「榎」は何と読む?
漢字 | 榎 |
部首:偏(へん) | 木(きへん) |
部首:旁(つくり) | 夏(なつ) |
音読みなし | カ |
訓読み | えのき |
人名読み:名乗り | え |
つまり、「榎」という漢字は木へんに夏がつくことを示しており、
「カ、えのき」という読み方で覚えることができます。
また、人名に使われる場合には「榎(え)」という読み方もあるので、
名前を間違えないように注意しましょう!
ちなみに、「木へんに冬」と書く漢字もあり、「柊(ひいらぎ、シュウ)」という漢字があります。
しかし、「エノキ」という漢字はなぜ「木へんに夏」の組み合わせになったのでしょうか?
次に、榎という漢字が「木へんに夏」という組み合わせなのか、
その成り立ちを一緒に見ていきましょう。
「榎」の漢字の意味と由来について
最初に、「榎」という漢字は、木へんを持つことから、
木の名前を表す漢字であることがわかります。
「えのき」とは、高さ20mにも達するニレ科の落葉高木を指します。
この木は日本ではよく知られており、
江戸時代の日本橋では道路の目印として植えられていました。
そのため、日本在住の人々にとっては非常に馴染み深いものとなっています。
成り立ち
榎の漢字の起源は、次のようになります。
木=地を覆う木の象形文字
夏=冠と面を着用した人の頭+両手・両足の象形文字 |
夏祭りでの優美な舞を表す意味を持つ。
これらを組み合わせて、会意兼形声文字が誕生しました。
なお、会意兼形音声文字は会意文字と形音声文字の
両方の特性を持つ漢字を指します。
<形声文字(けいせいもじ)>
形声文字は、意味と発音を組み合わせて作られた漢字を指します。
<会意文字(かいいもじ)>
会意文字は、複数の漢字を組み合わせて、元の漢字とは異なる意味を持つ漢字です。
「榎」は国字か?
漢字は中国で誕生した文字であり、日本に伝来したため、
現代の日本で使用される漢字の大部分は中国由来です。
しかし、中には日本独自の漢字もあり、これを「国字」と呼びます。
「榎」は国字ではありません。
中国の宋代に編纂された漢字辞典『玉篇』に、
「榎」の文字が見られます。その中で、以下のように記されています。
「榎は、檟に同じ(榎とは、檟のことである)」
「檟」は「ヒサギ」や「キササゲ」を指します。
したがって、要約すると以下のようになります:
中国では、「榎」や「檟」が「ヒサギ」や「キササゲ」を表す漢字として使用されていた。
日本では、「榎」が「エノキ」を表す漢字として用いられるようになった。
つまり、「榎」は日本で生まれた国字ではなく、中国由来の漢字であり、
日本に伝来後に異なる意味で使用されるようになった。
×:「榎」は国字である
〇:「榎」をエノキの意味で使用するのは日本独自の用法である |
「榎」を含む言葉や名前
榎は人名にも頻繁に使われており、
一般的な読み方は「え、えの、えのき」です。
以下はその例です。
榎(えのき)
榎川(えがわ) 榎崎(えざき) 榎本(えのきもと) 榎田(えのきだ)、榎戸(えのきど) |
これらは、「榎」が含まれるよく見かける姓の例です。
全国的に見ても、「榎本」という姓は特に多く見られ、
歴史上の人物の名前にも使われており、身近な感じがします。
特に有名なのは、「榎本武揚(えのもとたけあき)」でしょう。
榎本武揚は、幕末の幕臣で、幕府海軍を率いて北海道での戦いに参加し、
函館の五稜郭で明治政府軍と戦ったことで知られています。
他にも、以下のような「榎」を含む言葉があります
椋榎(ムクノエキ):ムクノキの別名
榎茸(エノキダケ):広葉樹の切り株などに生えるシメジ科のキノコ 榎社(えのきしゃ):福岡の太宰府市にある、菅原道真を祀る寺社 榎草(エノキグサ):トウダイグサ科の一年草で、道端に生える約30センチの植物 |
これらは、「榎」を含む言葉や名前の例です。
木へんに春夏秋冬の文字
この漢字「榎」は、以前述べたように、木へんに夏を表す漢字です。
この「夏」は、季節を表す「春夏秋冬」に位置する文字です。
では、夏だけでなく、
木へんに他の季節を表す「春」「秋」「冬」を組み合わせた漢字は存在するのでしょうか?
実は、全て存在します!
木へんに春で椿(つばき)
木へんに秋で楸(ひさぎ) 木へんに冬で柊(ひいらぎ) |
これらの漢字は、全て植物の名前です。
ただし、楸はあまり馴染みがないかもしれません。
まとめ
今回の内容をまとめると以下の通りです:
音読み:カ
訓読み:えのき
人名読み・名乗り:え
漢字が持つ意味:「エノキ」という樹木を指す意味で使用される。
この記事では、「木へんに夏」と書いて何と読むのか、
その意味について紹介しました。