ウェブブラウザを使っていると、突如画面が真っ白になり、
アドレスバーに“about:blank”と表示されることがあります。
この謎めいた文字列は一体何を意味しているのでしょうか。
この記事では、about:blankがどのようなページで、なぜ表示されるのか、
表示させる意図的な使い方、表示を回避する方法、
さらにはセキュリティ上の問題との関連性まで、
この空白ページに関する疑問をくまなく解説します。
about:blankの意味は?
表面的には単なる空白ページに過ぎないように見えますが、
この記事を読めば、about:blankには意外な裏側や活用方法があることが分かります。
ブラウザの動作を理解する上で、重要な鍵を握るページなのです。
それでは、about:blankの実態に迫っていきましょう。
「about:blank」謎の文字列の正体は”ブラウザ内部の空白ページ
about:blankとは、一言でいえば「ブラウザ内部にある特別な空白ページ」のことです。
ウェブサイトではなく、あなたのブラウザがページを表示する際の、
いわば「無地のキャンバス」といった存在なのです。
このページの”about:”の部分は、ブラウザ自身の情報を参照するための独自の
“URI(URL)スキーム”を示しています。
後半の”:blank”は文字通り「空白の」という意味で、
これらを合わせた”about:blank”が空白ページを指すわけです。
主要ブラウザであれば、このabout:URIスキームに対応しており、
任意のキーワードを入力して様々な情報を取得できます。
例えばChromeで”about:dino”と入力すれば、
通信エラー時に表示される有名な恐竜ゲームを起動できます。
ただし、about:blankはウェブページ自体ではありません。
インターネット上のサイトを表すのではなく、
ブラウザーが特定の状況でウェブページの代わりに、
この内部の空白ページを表示するための機能なのです。
空白ページが表示される代表的な3つのケース
では、いったいどのようなケースでabout:blankが表示されるのでしょうか。
主な理由は次の3つです。
1.無効なリンクやURLにアクセスした際
2.ブラウザが適切なページの読み込み方法を認識できなかった場合
3.マルウェアの危険からユーザーを守るため
つまり、ブラウザが正常に動作できない状況下で、
この空白ページを代わりに表示することで、
クラッシュやフリーズを回避しているといえます。
サイバー攻撃のリスクが高いサイトにアクセスしようとすると、
ブラウザがそれを検知して意図的にabout:blankを表示し、
危険を遮断する場合もあります。
このようにユーザーの安全を守る役割があるのです。
ですからabout:blank自体が問題の原因になることはなく、
ほとんどの場合は深刻なエラーの徴候ではありません。
しかし、システムの異常が疑われる場合は、
表示の背景を追及する必要があります。
高速化やプライバシー保護のために意図的に表示させる
実はabout:blankには、意図的に表示させたくなるメリットがあります。
インターネット環境が遅い場合には、
この空白ページをブラウザのホームページとして設定することで、
大幅な高速化と通信トラフィックの節約が可能になるのです。
インターネットに接続しなくても空白のページは読み込めるので、
この設定によりブラウザの起動時やタブの新規作成時の表示が非常に軽快になります。
リソースの無駄もなくなります。
さらに、ブラウザを開く度に前回のブラウジング履歴が表示されたくない、
という場合でも、about:blankにすることで都度クリーンな状態からスタートできます。
閲覧履歴を残したくない観点から、プライバシー保護の一助ともなります。
このように、状況に合わせてabout:blankを使い分ければ、
パフォーマンスとプライバシーの両面で恩恵があるのです。
表示されて困ったらホームページ設定を変更
ただし一方で、about:blankがデフォルトで表示されるのを望まない人も多いはずです。
このページが好ましくない場合は、
単にホームページの設定を変更するだけで問題は解決できます。
Chromeであれば、設定の「起動時」セクションで
「空白ページ」のオプションを外せばいいだけです。
代わりに任意のウェブサイトや特定のページを指定すれば、
ブラウザの起動時にそのページが開かれるようになります。
about:blankを表示させたくない人はぜひ試してみてください。
感染症状になることもあるマルウェア対策の一環
これまでの説明から、
about:blankそのものがマルウェアやウイルスの原因になることはないことが分かったでしょう。
ただし、逆にマルウェアが感染していることのサインになり得る、
ということも確かです。
セキュリティソフトの中には、
危険なサイトへのアクセス時にabout:blankを表示するものがあり、
ユーザーを守る役割を担っています。
また、マルウェアの除去作業の過程で問題が発生した場合など、
ブラウザが正常に動作できなくなり、
結果としてこの空白ページが表示されることもあり得るのです。
つまり、about:blankはマルウェアそのものではありませんが、
マルウェア等の異常の”ひとつのサイン”になる可能性はあるわけです。
そのため、このページが頻繁に表示される場合は、
感染の有無を確認することが重要になってきます。
まとめ
ブラウザの空白ページ”about:blank”の正体と使い道、
表示の背景や対処法などをくまなく説明してきました。
改めてポイントをまとめると、about:blankはブラウザ内部の特別な空白ページで、
リンク切れや通信エラー、マルウェア対策などの理由で表示されます。
通常はエラーの徴候ではありませんが、場合によっては異常の一つの兆候になり得ます。
一方で高速化やプライバシー保護のため、
この空白ページを意図的に表示させるメリットもあります。
ホームページの設定を変更することで、簡単にその動作を制御できます。
about:blankが表示された場合は、落ち着いて状況を判断することが大切です。
深刻な問題ではなさそうであれば適宜無視しましょう。
しかし、何か異常が疑われるようであれば、原因を追究し、
適切な対処を怠らないことが重要です。
ブラウザの再起動やサイトの再読み込み、設定の変更から試し、
それでもなお問題が解決しない際はコンピューターやブラウザの状態を点検しましょう。
くれぐれもセキュリティ面での危険を見逃さず、
安全で快適なウェブ体験を心がけたいものです。
この記事を通して、読者のみなさまにabout:blankへの理解が深まり、
適切な対応ができるようになれば幸いです。