第三種郵便物とは、日本郵便から承認された新聞や雑誌などの定期刊行物を、所定の条件で低料金に送れる郵便制度です。
普通の雑誌なら誰でも63円で送れる制度ではなく、刊行物そのものが承認されていることが利用の前提です。
この記事では、第三種郵便物の料金、承認条件、申請方法、封筒の開け方、ポスト投函の条件、第四種郵便物との違いまで整理します。
手持ちの雑誌を送れるか知りたい人から、郵送料を抑えたい発行担当者まで、自分が利用できるかを順番に判断できます。
第三種郵便物とは?誰でも使える制度ではない
第三種郵便物とは、日本郵便から承認を受けた新聞や雑誌などの定期刊行物を、所定の条件で低料金に送れる郵便制度です。
本や雑誌なら誰でも第三種郵便物として安く送れるわけではなく、その刊行物自体が承認されていることが大前提です。
手元にある雑誌を1冊だけ送りたい人と、新聞・雑誌などを継続発行している発行者とでは、確認すべきポイントが異なります。
日本郵便の承認を受けた定期刊行物だけが対象
第三種郵便物の対象になるのは、日本郵便から第三種郵便物として承認された定期刊行物です。
郵便法でも、日本郵便の承認を受けたことを示す文字を掲げた定期刊行物を内容とし、開封して差し出すものが第三種郵便物として定められています。
つまり、「印刷物だから使える」「雑誌の形をしているから使える」という制度ではありません。
書店で買った雑誌を家族に送りたいとき、「第三種なら安いらしいから63円で送れるのでは」と考えてしまうケースがあります。
判断するときは、まずその刊行物が第三種郵便物として承認されているかを確認してください。
承認されていない刊行物に63円分の切手を貼っても、それだけで第三種郵便物になることはありません。
発行者が新たに制度を利用したい場合も、一定の条件を満たした刊行物について事前に承認を受ける必要があります。
検索では「第三種郵便物の認可」という言い方も見かけますが、日本郵便や郵便法では「承認」という用語が使われています。
普通の雑誌や会報をそのまま第三種では送れない
第三種郵便物で送れるかどうかは、刊行物の名称ではなく、承認の有無と承認条件を満たしているかで決まります。
「雑誌」「新聞」「会報」と書かれているだけでは、第三種郵便物の対象とは判断できません。
たとえば、個人で作った冊子や小規模な同人誌を定期的に発行していても、それだけで第三種の料金を使えるわけではありません。
承認には発行頻度や発行部数、発売割合、広告の割合、定価など複数の条件があり、詳しい基準は後の章で整理します。
とくに注意したいのが、団体の活動報告や会員の消息などを中心にした会報・会誌・社報です。
定期的に発行されていても、その内容によっては第三種郵便物の承認対象になりません。
会社で毎月社内報を発送していて「定期発行だから第三種にできそう」と感じても、発行回数だけで判断しないことがポイントです。
第三種郵便物を使いたい発行者は、料金を調べる前に「自分の刊行物が承認の対象になるか」を確認する順番が大切です。
一般の利用者なら、第三種郵便物として承認された刊行物かどうかを確認できれば、まず入口の判断ができます。
第三種郵便物の料金と第四種郵便物との違い
第三種郵便物の料金は一律ではなく、一般第三種、一定の新聞、低料第三種などで料金体系が分かれています。
一般第三種は50g以内63円ですが、「第三種郵便物はすべて63円」と覚えると料金を間違えるので注意してください。
第四種郵便物も低料金の制度ですが、第三種とは対象物そのものが違います。
一般第三種は50g以内63円から、新聞・低料区分は別料金
一般的な第三種郵便物は、50g以内63円で、50gを超えるごとに8円が加算されます。
重量の上限は原則1kgです。
一方、毎月3回以上発行する新聞紙を、発行人または売りさばき人から差し出す場合は料金が異なります。
| 第三種郵便物の区分 | 最初の重量 | 基本料金 | 追加料金 |
|---|---|---|---|
| 一般第三種 | 50g以内 | 63円 | 50gごとに8円 |
| 毎月3回以上発行する新聞紙 | 50g以内 | 42円 | 50gごとに6円 |
| 心身障がい者団体発行の新聞 | 50g以内 | 8円 | 50gごとに3円 |
| 心身障がい者団体発行のその他の刊行物 | 50g以内 | 15円 | 50gごとに5円 |
料金表だけを見ると8円や15円から利用できるように見えますが、これらは所定の条件を満たす低料第三種の料金です。
一般の第三種郵便物を送る人が、低料第三種の8円や15円を自由に選べるわけではありません。
発送準備の途中で「どの金額の切手を貼ればいいのだろう」と迷ったら、まず刊行物の承認区分を確認すると判断しやすくなります。
料金は重量だけでなく、どの第三種区分に該当する刊行物かまで確認して決めるのが基本です。
第四種は通信教育・点字・植物種子など対象物が異なる
第三種郵便物と第四種郵便物は、数字が違うだけの料金ランクではありません。
第三種は承認された定期刊行物を対象にするのに対し、第四種は通信教育、点字・特定録音物、植物種子、学術刊行物など、定められた用途の郵便物を対象にしています。
| 比較項目 | 第三種郵便物 | 第四種郵便物 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 承認された定期刊行物 | 通信教育、点字・特定録音物、植物種子、学術刊行物など |
| 制度の考え方 | 一定の条件を満たす刊行物の流通を支える | 教育・福祉・農業・学術など特定用途の郵送を支える |
| 開封 | 原則必要 | 原則必要 |
| 重量上限 | 原則1kg | 原則1kg、一部は3kgまで |
| 料金例 | 一般第三種は50g以内63円 | 通信教育は100g以内15円、植物種子は50g以内73円など |
たとえば植物の種を送りたいからといって、第三種郵便物を選ぶことはありません。
反対に、承認された雑誌を送る場面で「第四種のほうが安そうだから」と料金だけを比べて選ぶ制度でもありません。
第三種と第四種は、まず送る物がどちらの対象に該当するかで判断します。
「どちらが安いか」より先に「何を送る制度なのか」を見ると、両者を混同しにくくなります。
第三種郵便物の承認条件と申請方法
第三種郵便物として扱ってもらうには、定期刊行物が日本郵便の定める複数の条件を満たし、事前に承認を受ける必要があります。
発行回数だけでは足りず、部数・発売割合・広告割合・定価などをまとめて確認するのがポイントです。
申請を考えている発行者は、条件を一つずつ確認してから必要書類をそろえると進めやすくなります。
年4回以上・500部以上・発売80%以上などの条件
第三種郵便物の承認を受けるには、まず毎年4回以上、号を追って定期的に発行する刊行物であることが必要です。
発行部数についても基準があり、1回につき500部以上が求められます。
「季刊誌なら年4回だから条件を満たせそう」と思っても、確認はそこで終わりません。
販売の状況や刊行物の内容についても条件があります。
- 発行部数のうち、発売する部数が80%以上である
- 印刷部分に占める広告の割合が50%以下である
- 刊行物に定価が付けられている
- 公共的事項を報道・論議する性質を備えている
「年4回発行しているから第三種にできる」と一つの条件だけで判断しないでください。
たとえば、毎月発行していて部数も500部を超えていても、無料配布が中心なら発売割合の条件を満たさない場合があります。
広告を中心とした刊行物も、広告部分の割合によって承認条件から外れます。
会員同士の近況や団体活動の報告を主な内容とする会報・会誌・社報も、定期刊行物というだけでは承認対象になりません。
発行頻度、500部以上、発売80%以上、広告50%以下、定価という数字を入口にしつつ、刊行物の内容まで確認する必要があります。
申請先と承認請求書・刊行物見本などの必要書類
承認を申請する場合は、発行所所在地の郵便物を配達する郵便局、またはその区域内で支社が指定する郵便局に書類を提出します。
主な提出物には第三種郵便物承認請求書、発行部数や発売状況を示す報告書、最近発行した刊行物の見本などがあります。
発行部数を確認する資料としては、印刷代や製本代の領収書、納品書などが例として挙げられています。
発売割合を確認するため、販売状況や代金の徴収状況が分かる資料も必要です。
申請の準備を始めてから「500部刷った証拠が手元にない」と気付くと、資料をさかのぼって集める手間が増えます。
印刷・販売の記録を普段から残しておくと、申請時の確認がしやすくなります。
承認は、書類を出せば自動的に受けられる仕組みではなく、所定の条件を満たしているか確認されたうえで判断されます。
また、承認の効力は承認日前に発行された号へさかのぼって適用されません。
発行予定の号から第三種郵便物として発送したい場合は、刊行スケジュールを見ながら申請時期を考える必要があります。
第三種郵便物の送り方とポスト投函の条件
第三種郵便物は、承認された刊行物であっても、普通郵便と同じ感覚で完全に封をして差し出せるわけではありません。
承認表示と開封状態を整え、通数や区分に応じた差出方法を守ることが必要です。
とくに「封筒をどこまで開けるか」「ポストに入れてよいか」は、発送前に確認しておきたいポイントです。
承認表示と内容を確認できる開封状態が必要
第三種郵便物として差し出す刊行物には、所定の方法で「第三種郵便物承認」の文字を表示するなど、承認済みであることが分かる状態にします。
包装については、郵便物の種類を容易に確認できるよう開封状態にする必要があります。
封筒を使う場合、納入口などの全部または大部分を開けておくことが求められます。
「少しだけ隙間を作ればよい」という意味ではありません。
開ける範囲の目安は少なくとも納入口などの半分以上ですが、それだけ開いていても内容確認が難しければ条件を満たしません。
完全に密封した封筒は避け、外から郵便物の種類を確認しやすい包装にしてください。
発送作業の最後にテープで全面を閉じてしまうと、それまで正しく準備していても差出条件から外れる原因になります。
また、第三種郵便物の重量は原則1kgまでです。
表示、開封、重量の3点を発送前のチェック項目としてそろえておくと、差出時の迷いを減らせます。
非低料100通未満はポスト投函可、その他は差出条件に注意
第三種郵便物は条件によって、郵便ポストへ投函できる場合があります。
非低料第三種郵便物を100通未満差し出す場合は、郵便差出箱への投函が可能です。
「第三種郵便物はすべて窓口へ持っていく必要がある」と覚える必要はありません。
一方で、非低料第三種を100通以上まとめて差し出す場合は、配達郵便局や支社指定の郵便局など、所定の場所への差出しが必要です。
金曜の夕方に大量発送の準備を終えてから「全部ポストに入れてよいのかな」と迷わないよう、通数は梱包前に数えておくと安心です。
低料第三種郵便物は、100通未満であってもポスト投函できません。
一般低料や心身障がい者用の低料第三種では、差出しについて事前の承認も必要です。
そのため、ポスト投函の可否は「第三種かどうか」だけでなく、低料か非低料か、何通差し出すかまで見て判断します。
少量の非低料第三種ならポスト投函できる一方、大量差出しや低料第三種では所定の差出方法を確認する必要があります。
第三種郵便物を使えるか判断するためのまとめ
第三種郵便物は、雑誌や冊子を誰でも安く送れる制度ではなく、日本郵便から承認された定期刊行物を所定の条件で送るための郵便です。
まず刊行物が承認済みかを確認し、発行者が新たに利用する場合は承認条件を満たせるかを順番に確認してください。
一般第三種の料金は50g以内63円からですが、一定の新聞や低料第三種には別の料金が設定されています。
発送時には承認表示・開封状態・重量を確認し、ポスト投函できるかどうかは低料か非低料か、差出通数はいくつかまで見て判断します。
「雑誌だから第三種」「63円を貼れば第三種」と料金だけで判断しないことが、最も大切なポイントです。
発行者として承認を検討しているなら、年4回以上、1回500部以上、発売80%以上、広告50%以下、定価などの条件を確認したうえで、発行・販売実績を示せる資料をそろえましょう。
自分のケースが第三種郵便物に該当するか迷ったときは、「承認済みか」「承認条件を満たすか」「差出条件を守れるか」の順番で確認すると判断しやすくなります。

